片栗粉とコーンスターチだけじゃない、でん粉の種類、特性、使い分け

みなさん、食用のでん粉、何種類ご存じですか。

家庭にあるのは「片栗粉」「コーンスターチ」ぐらいだと思いますが、実はけっこうたくさんの種類があるのです。

加工食品の成分表示を見ると、「でん粉(小麦)」とか「米でん粉」と書いてあることがありますね。

ほかにタピオカでん粉、サゴでん粉、甘藷でん粉なんていうのも、ときどき目にします。

さまざまなでん粉の種類とその特徴、使い分けについて説明していきます。

でん粉は私たちの主要な栄養源、光合成で作られる

最初に、でん粉について簡単に説明します。でん粉はほぼすべての植物に含まれる炭水化物です。

グルコースが数百個から数万個つながってできており、穀物、豆類、いも類の主成分です。

私たちは毎日いろいろな食べ物から栄養分を得ていますが、その半分以上を「でん粉」から得ています。でん粉がなかったら、私たちは生きられません。

でん粉は消化酵素で分解されるとグルコースになり、グルコースは小腸で吸収されます。そして小腸の壁から血液中に入り、体の中でエネルギー源として使われます

血糖値とは、血液中のグルコースの濃度のことです。血糖値が低くなると、意識がなくなりますし、血糖値が常に高い状態が、糖尿病です。また内臓脂肪もグルコースから作られています。

でん粉は私たちが生きていくうえで、不可欠なものである一方で、肥満や生活習慣病の原因となることもあります。

でん粉はどのようにして作られるのでしょうか。でん粉は「光合成反応」で作られます。光合成反応とは二酸化炭素と水から、グルコースと酸素ができる反応です。中学校で習いましたよね。

二酸化炭素 + 水  → グルコース + 酸素
6CO2 +  6H2O →  C6H12O6 +  6O2

でん粉はほとんどすべての植物に含まれている栄養成分ですが、これを植物からその成分だけを取り出しものが、これから説明する「でん粉」です。

取り出すにあたって、わずかしか含まれていないところからではなく、大量に含まれていて、取り出しやすいところから取り出します。ここでは、日本で使われている量が多い順に、紹介していきます。

コーンスターチ

・原料はすべて外国産トウモロコシです。日本で売っているトウモロコシとは全く別の品種です。
・全世界で生産されるでん粉の80%、日本で生産されるでん粉の85%がコーンスターチです。
・でん粉の粒径は3~26µm、平均粒径は15µmと小さいのが特徴です。
・でん粉として食用に用いられる以外に、食品添加物、化粧品、製紙原料としても使われます。
・でん粉の中で、値段が一番安いです。

コーンスターチはトウモロコシ(デントコーン)から作られるでん粉です。

デントコーンはよく目にするトウモロコシとは全く別の品種で、全量が海外から輸入されています。輸入先はアメリカが90%を占めており、また90%が遺伝子組み換え作物と考えられます。

また一部はワキシーコーンというもち種から作られますが、ワキシーコーンから作られるコーンスターチはワキシーコーンスターチとして区別されています。

  • デントコーン(馬歯種) … コーンスターチの原料、飼料
  • ワキシーコーン(もち種) … ワキシーコーンスターチの原料
  • スイートコーン(甘味種) … よく目にするトウモロコシ、食用
  • ポップコーン(爆裂種) … ポップコーンの原料

コーンスターチはさまざまな食品に使われます。家庭で使う場合は、プリン、カスタードクリームなどの洋菓子に使うことが多いと思いますが、中華料理のとろみ付けに使うこともあるようです。とろみ付けに使う粉といえば片栗粉ですので、コーンスターチと片栗粉の性質と用途をまとめてみました。

糊化とは、水に混ぜたときとろみがつくことです。

コーンスターチと片栗粉の性質と用途

コーンスターチ 片栗粉
糊化のしやすさ しにくい しやすい
糊化したときの粘度 低い 高い
糊化したときの安定性 安定
(冷えても粘度が変わらない)
不安定
(冷えると粘度が下がる)
糊化したときの透明性 低い 高い
適した用途 プリン、カスタードクリーム あんかけのあん、揚げ物の衣

コーンスターチは、でん粉の粒子が小さく粒径がそろっているため、糊化後の安定性がよく、冷えても粘度が変わりません。また口当たりがなめらかです。

コーンスターチが原料として使われる加工食品、コーンスターチから作られる食品添加物には、次のようなものがあります。

  • ビール、発泡酒 … アルコール発酵の原料として使われます。原材料欄には「スターチ」と書かれています。
  • 果糖・ぶどう糖液糖、ぶどう糖・果糖液糖 … コーンスターチを酵素で分解して作る甘味料です、砂糖より3割ほど値段が安いため、清涼飲料水、氷菓、菓子によく使われています。
  • 水あめ … コーンスターチを酵素または酸で分解して作る甘味料ですが、食品添加物ではなく、食品として扱われます。洋菓子、和菓子に使われます。

馬鈴薯でん粉(ばれいしょでん粉、片栗粉)

・原料はすべて北海道産の馬鈴薯(ジャガイモ)です。
・コーンスターチに次いで日本で多く生産されるでん粉です。
・でん粉の粒径は10~90µm、平均粒径は50µmと、市販のでん粉では最も粒が大きいです。
・でん粉(片栗粉)としてとろみ付けや揚げ物に使われるほか、水産練り製品や加工でん粉の原料としても使われています。

馬鈴薯でん粉は、馬鈴薯(ジャガイモ)の塊茎から採れるでん粉です。

病害虫の侵入を防ぐために、生の馬鈴薯の輸入はほとんど行われていない(冷凍ポテトフライ等は輸入されています)ので、馬鈴薯でん粉の原料は100%国内産です。またでん粉用の馬鈴薯の栽培は、北海道のみで行われているそうです。

馬鈴薯でん粉はコーンスターチに次いで多く生産されているでん粉ですが、生産量はコーンスターチの1/10ほどです。家庭では料理のとろみ付けや揚げ物の衣に使われますが、かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージの原材料や、加工でん粉(食品添加物)の原料としても使われています。

片栗粉という名前で呼ばれていますが、明治時代に北海道で馬鈴薯の栽培が始まる前は、カタクリという植物の根から採ったでん粉を片栗粉と呼んでいました。でん粉の性質がよく似ていたことから、馬鈴薯のでん粉を片栗粉という名前で引き続き販売しているそうです。

でん粉の粒径は10~90µmで、市販されているでん粉の中ではもっとも粒が大きいのが特徴です。また粒径のばらつきも大きく、楕円形と球状の大小のでん粉から成ります。

糊化温度が低く、最高粘度が高い馬鈴薯でんぶんは、調理のとろみ付けによく使われます。あんかけのあんに適するのは、糊化温度が55~66℃と低く、料理の火を止めた後に、水に溶いた片栗粉を入れるだけで簡単に糊化することができるためです。

また糊化したときに透明で、料理の色を変えません。さらに糊化したでん粉の粘度が高いため、とろみが持続し、調味料を食材にからめるという役割を果たします。また馬鈴薯でん粉には、油脂の乳化を安定させる働きもあり、中華料理をあんかけにすると、油っぽさが薄れます。

馬鈴薯デンプンをとろみ付けに使うときには、倍量の水に溶いた馬鈴薯デンプンを、煮立っている状態の食材に加え、手早くかき混ぜて全体が透明になるまで火を通すことが、うまくとろみをけるコツです。

料理に酢やレモンを入れるときは、十分とろみがついた後に入れます。酢やレモンを先に入れると、とろみがうまくつかないことがあります。

馬鈴薯でん粉は、揚げ物の衣にも使われます。代表的なものが竜田揚げです。竜田揚げは、鶏肉や魚にしょうゆで下味をつけてから、馬鈴薯でん粉をまぶして油で揚げたものです。

糊化したでん粉の粘度が高いため、小麦粉を使った唐揚げよりもカラッと揚がります。ただ唐揚げと竜田揚げの違いは明確ではなく、馬鈴薯でん粉を使った唐揚げもあるようです。

馬鈴薯でん粉には、水に混ぜると、水としっかりと結合する性質があります。これを保水性といいます。

そのため加工食品にしっとりとした食感や弾力、もちもち感やゼリー状のぷるぷるとした感じを与えることができます。かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージなどに加えられるほか、和菓子、めん類、パンにも使われています。

原材料欄には「でん粉」としか表示されないので、馬鈴薯でん粉かどうか、見分けはつきませんが、他のでんぷんと比べて保水性が強いのが、馬鈴薯でん粉の特徴です。

この保水性を利用したお菓子の一つに、ベビーボーロがあります。馬鈴薯でん粉を加えた生地を焼くと、水が蒸発し生地の中に空洞ができます。そのためベビーボーロを口に入れると、さっと溶けるような食感が得られます。

また、馬鈴薯でん粉は、くずきり、はるさめの原料にもなります。

最後に、馬鈴薯でん粉の用途を整理しておきます。2014年10月~2015年9月のデータですが、

  • 糖化製品(果糖・ぶどう糖液糖、デキストリンなど)44千トン/年
  • 片栗粉 42千トン/年
  • 加工でん粉(食品添加物)30千トン/年
  • 菓子類 16千トン/年
  • めん類 12千トン/年
  • 水産練り製品、ハム、ソーセージ 9千トン/年

となっています。

甘藷でん粉(さつまいもでん粉)

・原料はすべて鹿児島県産の甘藷(サツマイモ)です。
・日本で3番目に多く生産されるでん粉ですが、でん粉全体のわずか1%です。
・でん粉の粒径は15~35µm、平均粒径は25µmです。
・大部分が糖化用で、一部が和菓子やめん類の原料に使われています。粉そのものは一般にはほとんど出回っていません。

甘藷でん粉はサツマイモの塊根から採れるでん粉です。馬鈴薯でん粉はジャガイモの「塊茎」、甘藷でん粉はサツマイモの「塊根」。

どちらも土の中にできるイモなのですが、ジャガイモの「塊茎」は茎が変化したもの、サツマイモの「塊根」は根が変化したもの、という違いがあるそうです。

でん粉の粒径は15~35µm、平均粒径は25µmで、大きめの釣鐘型の粒子と球形の粒子が混在しています。粘度や糊の性状としては、馬鈴薯でん粉と穀類でん粉の間の中間の位置しています。

甘藷でん粉は一般にはほとんど出回っていないので、料理に使う機会はまずありません。

甘藷でん粉には独特な食感と風味があることから、葛粉の代替品として利用されることが多く、葛切り、葛もち、ゴマ豆腐などに使われています。

またはるさめやわらび餅の原料として使われることもあります。また馬鈴薯でん粉と同じく、保水性があるので、水産練り製品や焼き菓子の原料としても使われます。焼き菓子に使うと、サクサクとした軽さと口どけのよさをあわせ持った食感が得られます。

甘藷でん粉は一般用にはほとんどで出回っていませんが、鹿児島県では落花生を使った「ピーナッツ豆腐」、さつまいもを使った「いももち」などの家庭料理で甘藷でん粉が使われているそうです。

また揚げ物やあんかけ、南蛮漬けにも使えるとのことです。また鹿児島県は甘藷でん粉の消費を拡大するため、レシピの開発や料理教室の開催などを行っています。

最後に、甘藷でん粉の用途を整理しておきます。2015年10月~2016年9月のデータですが、大部分は、甘味料や食品添加物の原料として使用されています。

  • 糖化製品(果糖・ぶどう糖液糖、デキストリンなど)             23千トン/年
  • めん類・菓子類・水産練り製品                                                       10千トン/年
  • 加工でん粉(食品添加物)                                                            2千トン/年

となっています。

小麦でん粉

・原料は小麦粉です。
麩を製造するときの副産物です。浮き粉ともいわれます。
・でん粉の粒径は1~40µmで、大粒子と小粒子の2種類が含まれています。
・業務用がほとんどで、一般用にはほとんど出回っていません。
・主に加工食品の保水性向上、食感改良、グルテン濃度の調整に使われます。

小麦粉に水を加えてこねると、生地ができます。この生地を水の中で揉み洗いすると、水の中にでん粉が溶け出してきて、水が乳白色になります。

この水を遠心分離にかけて回収した粉が、小麦でん粉です。

小麦でん粉は「浮き粉」とも呼ばれます。ちなみに水に溶けださずに残るのは、グルテンと呼ばれるたんぱく質で、「麩」の原料となります。このように小麦でん粉は、「麩」を製造する過程で出た副産物、ということもできます。

小麦でん粉の粒径は1~40µmで、すべてを平均すると10µmなのですが、実は、粒径が2~10µmの「小粒子」と、粒径が15~40µmの「大粒子」の2つに分けられます。

このように粒の大きさが異なる2種類の粒が混じっていることは、小麦でん粉の特徴で、この2種類は比重差を利用して分けることもできます。大粒子の方が、糊化しやすく、粘度が高いという性質があります。

小麦でん粉には次のような特徴があります。

  • 糊化開始温度(粘り気が出る温度)が高い。
  • 糊化した後、保水性が高く、ソフトな食感が出る。
  • でん粉から水が抜けて、構造がバラバラになる「老化」が起こりにくい。
  • 加熱、撹拌に対して安定している。
  • 耐塩性・耐酸性にも比較的優れた粘度特性、糊液安定性を示す。
このような特徴を活かして、多くの加工食品に使われています。代表的なものをいくつか紹介します。
  • 蒸し餃子
    中華料理の点心で出される皮が半透明の蒸し餃子は、小麦でん粉から作られており、もちもち、ツルッとした食感があります。
  • 水産練り製品(かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージなど
    弾力性、歯ごたえとソフトな食感を与えます。また色が白いので、製品の白さを増すことができます。さらに保水性があるため、製品を水増しするとともに、消費期限を延ばします。増量剤としての役割もあります。なお、かまぼこには、関東では弾力性を持たせるためにばれいしょでん粉が、関西ではソフト感のある風味を引き出すために小麦でん粉が使われるそうです。
  • 餃子、焼売、卵焼き、ハンバーグ、ミートボール
    食品の離水防止による消費期限の延長と、増量剤とするために使われています。

小麦でん粉も小麦粉も白い粉で、見た目はほとんど同じですが、性質は違います。

小麦でん粉 小麦粉
成分 グルテンが少ない(ゼロではない)
たんぱく質は0.2~0.87%
グルテンが含まれる(7~13%)
たんぱく質は8~9%(薄力粉)
食感 軽い 重い
味・風味 無味無臭 小麦の味と風味
使用目的 食感、外観、保存性の改良
成分の増量、つなぎ
小麦粉のグルテン濃度の調整
食品の主要原材料
原材料表示 でん粉(小麦を含む) 小麦粉
アレルゲン表示 小麦 小麦

小麦でん粉は小麦粉からグルテンを製造する際の副産物なので、小麦粉と比べるとグルテンの量は少ないと考えられます。

ある小麦でん粉のメーカーのホームページに、自社の小麦でん粉の分析値が載っていました。それによると、小麦でん粉に含まれるたんぱく質の量は、最も少ない製品で0.2%、最も多い製品で0.87%でした。

小麦粉に含まれるたんぱく質には、水に溶ける水溶性たんぱく質と、水に溶けない不溶性たんぱく質があります。小麦でん粉の製造方法から考えて、小麦でん粉に含まれるたんぱく質の大半は水溶性たんぱく質であると思われます。

グルテンは不溶性たんぱく質なので、小麦でん粉にはほとんど含まれていないと推測されますが、分析してみないとわかりません。

米でん粉(ライススターチ)

・原料はお米で、うるち米から作ったものと、もち米から作ったものがあります。
・でん粉の粒径はうるち米、もち米とも2~10µmで、平均粒径は5µmと、最も粒子の小さいでん粉です。
・業務用がほとんどで、一般用にはほとんど出回っていません。
・主に加工食品の改良剤として使われています。

白米を磨砕機ですりつぶし、水を加えてできた乳液からでん粉を抽出したものが、米でん粉です。

粒径は平均5µmと非常に小さく、でん粉の中で最も小さい粒子です。米菓、カスタードクリーム、焼き菓子、たれ、ソースなど、さまざまな加工食品で使用されます。

粒子が細かく揃っているため、焼き菓子などでは軽く口どけがよい食感になるほか、たれ、ソースではざらつきのないなめらかな食感になります。米でん粉は小麦でん粉と同様、老化しにくく、離水やゲル化が起こりにくいことから、食品の品質保持や離水防止目的でも使われます。

米でん粉を取り出す際、残った部分は飼料として利用されます。

米でん粉も米粉も白い粉で、見た目はほとんど同じですが、性質は違います。

米でん粉 米粉
成分 たんぱく質は0.3% たんぱく質は6%
食感 軽い 重い
味・風味 無味無臭 米の味と風味
使用目的 食品の改良剤
菓子、パン、めん、たれ、ソース、玉子焼き、カスタードクリーム、ホワイトソースなど
食品の主要原材料
原材料表示 でん粉、米でん粉 米粉

タピオカでん粉

・原料は熱帯原産のキャッサバというイモです。
・でん粉の粒径は4~35µmで、平均粒径は20µmです。
・価格が安く、加工食品以外にも、加工でん粉の原料や工業原料としても使われます。
・糊化して球状にしたものは、タピオカパールと呼ばれます。

キャッサバと呼ばれる熱帯原産の植物の塊根から取れるでん粉です。

キャッサバにはシアン化合物という毒が含まれるため、いもの皮を取り除き、細かくしたイモを長時間水にさらして、シアン化合物を薄めながら、でん粉を回収します。

タピオカでん粉の用途といえば、数年前に大流行したタピオカミルクティです。タピオカミルクティに入っていると粒は、タピオカパールと呼ばれ、タピオカ粉に水を加えて糊化したものを、特殊な形状の容器をつかって球形にしたものです。

黒い色をしているのは、カラメル色素やイカ墨で着色しているためで、もともとは半透明をしています。

適度な歯ごたえと、プチプチした食感があります。このほか、タピオカ粉はわらび餅の原料にも使われていますが、まだ一般的ではありません。

タピオカでん粉は値段が安いことから、加工食品に使われているほか、加工でん粉の原料や、製紙用、建築用材料としても使われています。

サゴでん粉(さごやしでん粉)

・サゴヤシという高さ15~20mのヤシの幹から採ったでん粉です。
・でん粉の粒径は10~65µmで、平均粒径は30µmで、馬鈴薯でん粉に次ぐ大きさです。
・めん類や餃子の皮を作る際の打ち粉として使用されます。

サゴでん粉はサゴヤシというヤシ科の植物の幹に蓄えられてます。サゴヤシは東南アジアで栽培されてますが、高さが15~20m、幹の直径が70~80cmにもなる大木で、この木の幹1本から、200~400kgのでん粉を採ることができます。

この大きさまで成長するのに、10年かかります。

サゴでん粉は2008年の時点で、年間16千トンが、マレーシアとインドネシアから輸入されています。

輸入されたサゴでん粉は、酸化、漂白され、酸化でん粉として、そば、うどん、ラーメンなどのめん類やシュウマイ、餃子の皮の打ち粉として利用されています。

サゴでん粉の酸化でん粉は、糊化開始温度、粘度とも低く、老化しにくいという特徴があり、茹で汁に溶けだしにくいことから、茹で汁の取り換え回数が少なくて済むという利点があるそうです。

まとめ

  1. 食用のでん粉には、コーンスターチ、馬鈴薯でん粉、甘藷でん粉、小麦でん粉、米でん粉、タピオカでん粉、サゴでん粉など、たくさんの種類があります。
  2. 馬鈴薯でん粉と甘藷でん粉の原料は100%国内産、コーンスターチ、タピオカでん粉、サゴでん粉の原料は100%外国産です。
  3. 料理のとろみ付けには馬鈴薯でん粉(片栗粉)が適しています
  4. でん粉の多くは、甘味料や食品添加物の原料として使われています。また食感改良や保存性の向上のためにでん粉を使った加工食品も多数あります。