コーヒーフレッシュの成分はなに? 体に悪い、使うメリットはあるの

コーヒーフレッシュ植物油脂に乳たんぱく、砂糖、乳化剤、香料を混ぜて作ったクリーム状の液体です。

クリーミングパウダーはメーカーによって原材料が異なりますが、ブライトとマリームはコーヒーフレッシュと似た原料からできています。

いずれも体に悪くないですが、使うメリットはありません。

一方クリープは乳製品と乳糖だけからできており、濃縮した牛乳を粉末にしたようなものです。使うのであればこれがよいと思います。

コーヒーフレッシュとクリーミングパウダー

コーヒーフレッシュやクリーミングパウダーは、コーヒーや紅茶に入れて味をまろやかにするために使います。常温保存できるため、牛乳や生クリームの代わりに使われるようになりました。

日本では液体のものをコーヒーフレッシュ、粉末のものをクリーミングパウダーと呼んでいますが、海外ではどちらもクリーマー(creamer)と呼ばれます。

コーヒーフレッシュの原料は植物油脂とカゼイン

コーヒーフレッシュは日本では40年以上前から販売されており、コーヒーショップでも普通に見かけます。液体のため、熱い飲み物だけでなく、冷たい飲み物やゼリーなどのデザートに使うこともできます。

コーヒーフレッシュというのは通称で、正式には「植物性油脂クリーミング食品」といいます。

メーカーによって多少異なりますが、主な原料は植物油脂、つまり大豆油やコーン油などの植物油と、それを水素添加して硬化させたショートニングです。

植物油脂は油なので、水とは混ざりません。これを混ざるようにするのが「乳化剤」です。植物油脂に水と乳化剤を加えて混ぜると、油の粒子が均一になり、半透明の液体ができます。ここにカゼイン(乳たんぱく)、砂糖、香料、着色料、pH調整剤を入れて、味や香りを調整すると、コーヒーフレッシュができ上ります

コーヒーフレッシュの主なメーカー

国内メーカーの主な製品を紹介します。なお明治、森永乳業、雪印メグミルクの3社は2021年8月現在、一般向けのコーヒーフレッシュを製造・販売していません。

メロディアン

メロディアンミニ コーヒーフレッシュ (メロディアン株式会社)

名称 植物性油脂クリーミング食品

原材料名 植物油脂(国内製造)、砂糖、脱脂粉乳 / カゼインNa、乳化剤(大豆由来)、pH調整剤、香料、酸化防止剤(ビタミンC)

アレルゲン表示 乳成分、大豆

栄養成分表示(1個/4.5mlあたり)

エネルギー10kcal、たんぱく質0.2g、脂質1.0g(飽和脂肪酸0.1g、トランス脂肪酸0g、コレステロール0mg)、炭水化物0.16g、食塩相当量0.03g

  • 油脂はすべて植物性だが、乳成分由来の脱脂粉乳とカゼインNaを使っています。
  • 動脈硬化の原因になる飽和脂肪酸は0.1g、トランス脂肪酸は0g、コレステロールは0mg。

スジャータ

スジャータP (スジャータめいらく株式会社)

名称 植物性油脂クリーミング食品

原材料名 植物油脂(国内製造)、乳製品、砂糖、デキストリン / カゼイン、pH調整剤、乳化剤(一部に乳成分・大豆を含む)

アレルゲン表示 乳成分、大豆

栄養成分表示(1個/5mlあたり)

エネルギー13kcal、たんぱく質0.2g、脂質1.3g(飽和脂肪酸0.6g、トランス脂肪酸0g、コレステロール0mg)、炭水化物0.2g、食塩相当量0.03g

  • 油脂はすべて植物性だが、乳製品とカゼイン(乳たんぱく質)を使っています。
  • 動脈硬化の原因になる飽和脂肪酸は0.6g、トランス脂肪酸は0g、コレステロールは0mg。
  • 香料、酸化防止剤を使用していません。

マリーム

マリーム®ポーションタイプ (味の素AGF株式会社)

名称 植物性油脂クリーミング食品

原材料名 植物油脂(国内製造)、砂糖、脱脂粉乳 / カゼインNa(乳由来)、乳化剤(大豆由来)、pH調整剤、香料(乳由来)、酸化防止剤(ビタミンC)

アレルゲン表示 乳成分、大豆

栄養成分表示(1個/4.5mlあたり)

エネルギー10kcal、たんぱく質0.2g、脂質1.0g(飽和脂肪酸0.1g、トランス脂肪酸0g、コレステロール0mg)、炭水化物0.16g、食塩相当量0.03g、カフェイン0mg、カリウム0mg、リン2mg

  • 油脂はすべて植物性だが、脱脂粉乳とカゼイン(乳たんぱく質)を使っています。
  • 動脈硬化の原因になる飽和脂肪酸は0.1g、トランス脂肪酸は0g、コレステロールは0mg。

クレマトップ

クレマトップ・ポーションタイプ (ネスレ日本株式会社)

名称 コーヒー用クリーミング(液状)

原材料名 植物油脂、砂糖、カゼインナトリウム(乳由来)、pH調整剤、乳化剤、香料

栄養成分表示(1個/4.3mlあたり)

エネルギー13kcal、たんぱく質0.15g、脂質1.3g、炭水化物0.21g、食塩相当量0.047g

  • カゼインは乳由来。乳化剤は大豆由来かもしれないが表示義務がないので不明。
  • 飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールについても不明。

メーカーによって全く異なるクリーミングパウダー

クリーミングパウダーも牛乳や生クリームの代わりにコーヒーや紅茶に入れるものですが、こちらは粉末のため、熱い飲み物にしか使うことができません。クリーミングパウダーはメーカーによって原材料が全く異なります。

クリーミングパウダーの主なメーカー

国内メーカーの主な製品を紹介します。過去に販売されていた、ニド(ネスレ日本)、クリーマ(雪印)、ソネット(森永乳業)は2021年8月現在、終売となっています。

クリープ

クリープスティック (森永乳業株式会社)

名称 乳等を主原料とする食品

原材料名 乳製品、乳糖、(一部に乳成分を含む)

アレルゲン表示 乳成分

栄養成分表示(スティック1本3g当たり)

エネルギー15kcal、たんぱく質0.2g、脂質0.8g、炭水化物1.8g、食塩相当量0.03g

  • 牛乳成分と乳糖だけから作られた製品。植物油脂や糖質系甘味料は使っていない
  • 1961年の発売開始から60年の歴史がある。

ブライト

ネスレ ブライト スティック (ネスレ日本株式会社)

名称 クリーミングパウダー

原材料名 コーンシロップ、植物油脂、砂糖、カゼイン(乳成分を含む) / pH調整剤、乳化剤、香料、クチナシ色素

アレルゲン表示 乳成分

栄養成分表示(1杯分3gあたり)

エネルギー17kcal、たんぱく質0.04g、脂質1.1g、炭水化物1.7g、食塩相当量0.05g

  • トウモロコシでんぷんを酵素で糖化して作ったコーンシロップと植物油脂が主原料。

マリーム

マリーム®スティック (味の素AGF株式会社)

名称 クリーミングパウダー

原材料名 水あめ(国内製造)、植物油脂、食塩、乳等を主要原料とする食品 / pH調整剤、乳たん白、乳化剤、香料(乳由来)、カラメル色素

アレルゲン表示 乳成分

栄養成分表示(1杯分3g当たり)

エネルギー16kcal、たんぱく質0.04g、脂質0.95g、炭水化物1.8g、食塩相当量:0.06g、カフェイン0mg、カリウム11mg、リン12mg

  • 水あめはでんぷんを酵素や酸で分解して作られるもので、ブライトで原料として使われているコーンシロップとほぼ同じもの。水あめと植物油脂が主原料。

コーヒーフレッシュとクリーミングパウダーをなぜ入れるのか

コーヒーフレッシュは、植物油脂に乳たんぱく、砂糖、乳化剤、香料を混ぜて作ったクリーム状の液体です。

クリーミングパウダーのうち、「ブライト」と「マリーム」は、糖質系でんぷん、植物油脂に乳たんぱく、乳化剤、香料、色素を混ぜて作った粉末です。どちらも実態は油と糖分と薬品で、あえて摂るようなものではないと思います。どちらもコーヒーや紅茶の味をまろやかにするかもしれませんが、これは油が入っているからで、またクリームの香りがするのは香料のおかげです。

もしコーヒーフレッシュやブライト、マリームを使わなくてもコーヒー、紅茶が飲めるのなら、できるだけ使わないことをお勧めします。苦手で飲めない場合は、牛乳を加えるのがよいでしょう。もともとは牛乳やクリームを使っていましたが、利便性を考えて、コーヒーフレッシュやグリーミングパウダーが使われるようになったわけですから。

もしどうしても何か加えたいのなら、クリーミングパウダーの「クリープ」をお勧めします。クリープの原料は乳と乳糖で、植物油脂や糖質系甘味料は使われていません。濃縮して粉末にした牛乳に近い組成なので、比較的安心して使うことができます。

まとめ

  1. コーヒーフレッシュクリーミングパウダーは、常温保存できるため、牛乳や生クリームの代わりにコーヒーや紅茶に入れて使われている。日本では液体のものをコーヒーフレッシュ、粉末のものをクリーミングパウダーと呼ぶが、海外ではどちらもクリーマーと呼ぶ。
  2. コーヒーフレッシュは植物性油脂クリーミング食品といい、植物油脂に乳たんぱく、砂糖、乳化剤、香料を混ぜて作ったクリーム状の液体である。
  3. クリーミングパウダーはメーカーによって原材料が全く異なる。ブライトとマリームは、糖質系でんぷん、植物油脂に乳たんぱく、乳化剤、香料、色素を混ぜて作った粉末。これに対してクリープは乳と乳糖だけから作られており、植物油脂や糖質系甘味料は使われていない。濃縮して粉末にした牛乳に近い組成なので、安心して使うことができる。
  4. コーヒーフレッシュやブライト、マリームを使わなくてもコーヒー、紅茶が飲めるなら、できるだけ使わないことをお勧めする。もしどうしても何か加えるのなら、クリープがお勧め。