ラムネ菓子がビジネスマン、学生、アスリートに人気です。ラムネ菓子は砂糖やでんぷんに果汁やミントなどを加えて圧縮成型したもので、誰もが一度は口にしたことがあるお菓子です。
これが集中力アップやエネルギー補給に効果的とのことで、ブームになっています。でも、すべてのラムネ菓子に同じ効果があるわけではありませんし、使い方を間違えると、逆効果になってしまいます。
ラムネ菓子が注目される理由と効果
みなさん一度は食べたことのあるラムネ菓子。
文部科学省の日本食品標準成分表2020年版(八訂)では、菓子類>キャンデー類>ラムネ(=錠菓)(英語ではcompressed tablet candy)と分類されており、
砂糖が主原料で、これに結合剤、果汁、ミント系フレーバ等を少量混合したものを、打錠機で圧縮成型したものである。
と定義されています1)。
カバヤ食品が1965年に発売した「ジューC」は、60年近くにわたるロングセラー商品です。また森永ラムネも1973年の発売以来、長きにわたってこどものおやつとして人気を集めてきました。
このラムネ菓子が10年ほど前から注目されています。その理由はラムネ菓子を食べることで、からだのパフォーマンスの低下を防ぐことができるためです。
人間のからだはグルコースをエネルギー源にして動いています。血液中のグルコース濃度(血糖値)は体内の調節機構によって一定に保たれていますが、空腹時に激しい運動をしたり、脳をフルに働かせたりすると、グルコースが消費されて、血糖値が下がります。
血糖値が 60mg/dL 未満の状態が低血糖で、異常な空腹感やからだのだるさを感じますが、それに至らなかったとしても、血糖値の低下は、筋肉の運動や脳の活動のパフォーマンス低下につながります。
血糖値が下がってくると、集中力が衰えて、眠くなってきます。
製品によって成分が違う
ラムネ菓子の主成分は、砂糖、でんぷん、ぶどう糖(グルコース)などの炭水化物です。砂糖とでんぷんは、消化酵素で簡単に分解されます。
砂糖(スクロース) → グルコース + フルクトース
でんぷん → グルコース
そして、グルコースもフルクトースも、小腸で速やかに吸収され、血液中に入ります。
グルコースが主成分のものは分解の必要はないので、食べたら小腸からそのまま吸収されますが、砂糖やでんぷんが主成分のものは消化酵素による分解が必要なので、吸収されるまでに若干時間がかかります。
グルコースが主成分のラムネ菓子はこれ!
集中力アップと素早いエネルギー補給のためには、グルコースが主成分のラムネ菓子が適しています。ここではお勧めのラムネ菓子をご紹介します。
第1位 ぶどう糖チャージタブレッツ カバヤ食品
- 原材料:ブドウ糖(国内製造)、砂糖、水飴、ギャバ
/クエン酸、乳化剤、香料(乳由来)、クエン酸Na、着色料(紅花黄、カラメル色素) - 栄養成分(100gあたり):エネルギー 373 kcal、たんぱく質 0g、脂質 1.2g、炭水化物 91.2g、食塩相当量 0g
- アレルゲン:乳
- 内容量と価格:79g(30粒)、263円(税込)、100gあたり333円
第2位 ジューCグルコース カバヤ食品
- 原材料:ブドウ糖
/酸味料、乳化剤、糊料(プルラン)、香料 - 栄養成分(100gあたり):エネルギー 376 kcal、たんぱく質 0g、脂質 1.2g、炭水化物 91.6g、食塩相当量 0g
- アレルゲン:乳
- 内容量と価格:25g(15粒)、54円(税込)、100gあたり216円
ジューCグルコース
第3位 ラムネ 森永製菓
- 原材料:ぶどう糖(90%)、タピオカでん粉、ミルクカルシウム
/酸味料、乳化剤、香料、アカキャベツ色素、(一部に乳成分・ゼラチンを含む) - 栄養成分(100gあたり):エネルギー 372 kcal、たんぱく質 0g、脂質 1.2g、炭水化物 90.3g、食塩相当量 0g
- アレルゲン:乳、ゼラチン
- 内容量と価格:29g、69円(税込)、100gあたり238円
第4位 大粒ラムネ 森永製菓
- 原材料:ぶどう糖(90%)、タピオカでん粉、ミルクカルシウム
/酸味料、乳化剤、香料、(一部に乳成分・ゼラチンを含む) - 栄養成分(100gあたり):エネルギー 373 kcal、たんぱく質 0g、脂質 1.2g、炭水化物 90.2g、食塩相当量 0g
- アレルゲン:乳、ゼラチン
- 内容量と価格:41g、108円(税込)、100gあたり263円
第5位 みんなで食べよう!ぶどう糖たっぷりラムネ 春日井製菓
- 原材料:ぶどう糖(国内製造)(93%)、でん粉
/乳化剤、香料、酸味料 - 栄養成分(100gあたり):エネルギー 370 kcal、たんぱく質 0g、脂質 1.0g、炭水化物 90.2g、食塩相当量 0g
- アレルゲン:なし
- 内容量と価格:550g(個装紙込み)(250粒)、1080円(税込)、100gあたり196円
ダイエット中など食べ方には注意
グルコースを含んだラムネ菓子は、グルコースを手軽に補給することができますが、これは食べたらすぐに血糖値が上がるということです。ですから空腹時に時間を空けて、少しずつ食べるのが鉄則です。
食事の前後や就寝前に食べてはいけません。また一度にたくさん食べることもやめてください。
むやみやたらに食べると、血糖値が急上昇して、糖尿病になる可能性があります。お腹がすいたからといって、ラムネ菓子で空腹を満たすのは、言語道断です。
森永ラムネは、1本でごはん半膳分に相当するカロリーがあります。エネルギーを大量に消費するアスリートでない限り、1日1本以上、食べないほうがよいでしょう。
糖尿病で食事制限をしている方は、ラムネ菓子は絶対に食べてはいけません。
せっかくの食事制限が無駄になってしまいます。またダイエット中の方もラムネ菓子には手を出さないでください。甘味が少ないため罪悪感が薄れ、ついつい食べ過ぎて、せっかくの努力が台無しになるかもしれません。
まとめ
- ラムネ菓子を食べると速やかに血液中のグルコース濃度が上がるため、からだのパフォーマンスの低下を防ぐことができる。
- ラムネ菓子は製品によって成分が異なる。主成分は砂糖、でんぷん、グルコースのいずれか。
- 集中力アップと素早いエネルギー補給のためには、グルコースが主成分のラムネ菓子が適している。
- ラムネ菓子は空腹時に時間を空けて、少しずつ食べるのが鉄則。食事の前後や就寝前に食べない。また一度にたくさん食べることも避ける。食べ過ぎると糖尿病になる危険性がある。
- 糖尿病で食事制限をしている方やダイエット中の方は、ラムネ菓子を食べてはいけない。
参考文献
1) キャンデー類ラムネ、日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://fooddb.mext.go.jp/details/foodInfo.pl?ITEM_NO=15_15106_7&VIEW_POPUP=1