いま話題の調味料ベゲタってなに、売れている理由とおすすめの使い方

ベゲタ(vegeta)は、乾燥した野菜に香辛料、味の素の成分と塩などを混ぜて作った調味料で、いろいろな料理に合う万能調味料として、欧米を中心に世界中で使われています。ヨーロッパで最も売れている調味料というデータもあります。ベゲタとはどのようなもので、どのような用途に使えるのか、またなぜそんなに売れているのか、調べてみました。

ベゲタは乾燥野菜・うまみ調味料・塩からできた調味料

ベゲタ(vegeta)は、乾燥した野菜にうま味調味料、香辛料と塩をまぜて作った調味料です。誕生したのは1959年で意外と新しいですが、いろいろな料理に合う万能調味料として、欧米を中心に広く使われています。2019年から2020年にかけてのニールセン社(市場調査会社)の調査によると、ヨーロッパでもっとも売れている調味料なんだそうです。

クロアチアの大手食品・医薬品メーカーであるPodravka(ポドラヴカ)が製造しており、世界50か国以上で販売されています。
ところでベゲタって、変わった名前ですね、ベゲタというのはクロアチア語なんです。クロアチア語での綴りはvegetaですが、英語読みするとベジータになります。ネットでvegetaといれて検索すると、ドラゴンボールに登場するキャラクター・ベジータがヒットします。アメリカでもこちらの方が有名なようです。同じ綴りでも、こちらはあくまでもベゲタです。

ベゲタの原材料と栄養成分

ベゲタは販売される国によって、原材料の種類と栄養成分値が異なります。ヨーロッパとアメリカで販売されているベゲタ(オリジナル)の原材料は、

食塩 56%
乾燥野菜 15.5%(にんじん、パースニップ(白にんじん)、玉ねぎ、セロリ、パセリの葉)
うまみ調味料(グルタミン酸ナトリウム 15%、イノシン酸二ナトリウム)、
砂糖、スパイス、コーンスターチ、着色料(リボフラビン)

食塩、乾燥野菜に次いで多く含まれているグルタミン酸ナトリウムとはなんでしょうか。これはこんぶだしのうま味成分で、味の素の主成分です。またイノシン酸二ナトリウムかつおだしのうま味成分です。食塩に味の素が入っているということは、日本の「アジシオ」に似ているということになります。

製品100gあたりの栄養成分

エネルギー 137kcal
たんぱく質 8.5g
脂肪 0.6g
炭水化物 24.5g
食塩相当量 56g

です。

ところで、オーストラリアで販売されているベゲタは、乾燥野菜にじゃがいもが含まれており、またコーンスターチの代わりに大豆でんぷんを使っています。理由はわかりませんが・・・。

また製品100gあたりの栄養成分は
エネルギー 1.5 kcal
たんぱく質 <0.1 g
脂肪 <0.1g
炭水化物 0.28 g
で、欧米で販売されているものとは全く異なります。

ベゲタの使い方

メーカーのウェブサイトにはもベゲタの使い方やレシピが詳しく載っています。その中から簡単にご紹介しましょう。なお、欧米で販売されているものを基準に記載します。

焼く料理
ロースト、グリル、バーベキューでは、焼く前の肉や魚にベゲタをふりかけます。

煮込む料理
スープ、シチューやソースを作るときに、ベゲタを入れます。スープベースの場合小さじ、1杯(3g)のベゲタを500mlのお湯に溶かします。

炒める料理・リゾット
調理中にベゲタをふりかけます。

サラダなどそのまま食べる料理
仕上げにベゲタをふりかけます。

ベゲタの種類

ベゲタにはオリジナル商品のベゲタのほかに、いろいろな種類の商品があります。国によって発売されている商品が異なりますが、アメリカではオリジナルを含めて6種類が発売されています。

ベゲタ(オリジナル商品)

ベゲタMSG無添加

MSGというのはMonosodium Glutamate(グルタミン酸ナトリウム)のことで、オリジナルのベゲタには、製品の15%も含まれている主要成分です。このグルタミン酸ナトリウムとイノシン酸二ナトリウムを抜いたのが、ベゲタ MSG無添加です。
グルタミン酸ナトリウムの安全性については、すでにさまざまなところで証明されていますが、一部には懸念する声があるほか、人工的に作られたものを摂りたくないと考える人もいます。そのようなニーズにこたえるため、グルタミン酸ナトリウムを含まないベゲタが販売されています。

ベゲタNature

100%天然由来成分から作られています。海水塩を使い、グルタミン酸ナトリウムとイノシン酸二ナトリウムや防腐剤は使われていません。乾燥野菜の量が32%とオリジナルの倍で、使われている野菜の種類も異なります。オリジナルではにんじん、パースニップ、玉ねぎ、セロリ、パセリの葉の5種類が使われていますが、それに加えて、じゃがいも、トマト、ネギ、パプリカも使われています。さらに香辛料としてラベージ、黒胡椒、ターメリック、ニンニク、ディルが使用されています。

ベゲタNO MSG Grill

グリル専用のベゲタで、グルタミン酸ナトリウムを含んでいません。肉、シーフード、野菜にふりかけて使用します。

ベゲタNO MSG Chicken

ローストチキンなどの鶏肉用のベゲタで、グルタミン酸ナトリウムを含んでいません。

Vegeta NO MSG Salad

グルタミン酸ナトリウムを含まないサラダ用調味料です。

ベゲタが人気の理由

ベゲタはヨーロッパでもっとも売れた調味料なんだそうですが、なぜそんなに売れるのでしょう。調味料としての味もさることながら、それはベゲタの特徴にあります。ポドラヴカ社のウェブサイトから、ベゲタの特徴を紹介します。

・人工香料を使用していない 
・防腐剤を使用していない
・遺伝子組換え作物(GMO)は使用していない
・動物性成分は含まれない
・グルテンフリー
・乳製品フリー

調味料には人工香料や防腐剤を使用しているものがあります。またベジタリアンビーガン(絶対菜食主義者)イスラム教徒ユダヤ教徒グルテン不耐症の人の多いヨーロッパやアメリカで、誰もが安心して食べられるところが人気の秘密なのかもしれません。

日本でベゲタを手に入れるには

Podravka社では、正式なルートではベゲタは販売していません。グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸二ナトリウムとも、日本人が発見したうまみ成分です。日本にはだし文化・うまみ文化があり、うま味調味料を製造しているメーカーもあります。海外のうまみ調味料メーカーが進出するには、条件が悪かったのかもしれません。

でもネット通販で購入することが可能です。ベゲタ(オリジナル)の170g入りが、1,180円です。アメリカの大手食品スーパーでの価格を調べたところ、250g入りで、$14.99 (=1,700円)なので、日本での価格が特段高いわけではないようです。

動物性成分が含まれない、グルテンフリーの洋風調味料と考えれば、いろいろな料理に使えそうです。


参考文献

1) Podravka社、ベゲタウェブサイト(アメリカ) https://www.vegeta.com/us/