豆乳、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクの効果とデメリットを比較

植物原料から作られる、豆乳、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクは、健康、ダイエットへの関心が高まる中、牛乳に代わる飲みものとして注目されています。

とりわけオーツミルクは新製品が出るなど、ここ数年で目にする機会が増えました。それぞれどのようなもので、どんな成分が含まれ、飲むことでどんな効果があるのかご存じでしょうか。

原材料、成分などをふまえて、どれを飲むべきか、薬剤師が解説します。
目次

豆乳、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクとは

豆乳は大豆から、アーモンドミルクはアーモンドから、マカダミアマルクはマカダミアナッツから、オーツミルクはオーツ麦という穀物から、たんぱく質や脂質、糖質といった成分を抽出した液体で、「植物性ミルク」と呼ばれるものです。

豆乳は「第二のミルク」、アーモンドミルク、マカダミアミルクやオーツミルクは「第三のミルク」とも呼ばれています。作り方は後ほど紹介しますが、鍋とミキサーがあれば、ご家庭でも簡単に作れます。

日本で豆乳が発売されたのは1978年のことで、それから何回かブームがありました。流行のきっかけとなったのは、健康ブーム、ダイエットブームです。牛乳よりも何かしら体によいイメージが浸透し、現在も売れ続けています。

その後、2013年にアーモンドミルクが、2020年にマカダミアミルクとオーツミルクが発売され、2021年に入ってから、複数の会社がオーツミルクの新製品を発売しています。

豆、ナッツ、穀物から作ったミルク、なんとなく健康によさそうなのですが、本当にそうなのでしょうか。

豆乳、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクと牛乳の成分の違い

商品によってエネルギーや成分の量は異なるので、できるだけ代表的な数字で比較することにしました。

無調整豆乳と牛乳は、文部科学省が作成した日本食品標準成分表の数値、アーモンドミルクはアメリカ農務省のFoodData Centralの数値です。なおマカダミアミルクとオーツミルクは標準的なデータがないので、前者はキッコーマンの商品のデータ、後者はFoodData Centralに掲載されている特定の商品のデータとなっています。

無調整豆乳と牛乳は100gあたり、その他は100mlあたりの値です。

無調整豆乳1) アーモンドミルク2) オーツミルク3) マカダミアミルク4) 牛乳1)
エネルギー(kcal) 44 15 40 32 61
たんぱく質(g) 3.6 0.55 1.23 0.3 3.3
脂質(g) 2.0 1.22 0.77 2.6 3.8
炭水化物(g) 3.1 0.34 7.38 2.4 4.8
食物繊維(g) 0.2 <0.45 0.9 1.8 0
カルシウム(mg) 15 173 8 110
鉄(mg) 1.2 0.29 0.31 0
マグネシウム(mg) 25 6.8 10
リン(mg) 49 30 93
カリウム(mg) 190 31 38 11 150
ナトリウム(mg) 2 60 52 55 41
飽和脂肪酸(g) 0.32 0.104 0 2.33
不飽和脂肪酸(g) 1.43 1.005 0 0.99
コレステロール(g) 0 0 0 0 12

1) 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
2) アメリカ農務省、FoodData Central, Plant Based Milk, Almond milk, unsweetened, plain, shelf stable
3) アメリカ農務省、FoodData Central, Plant Based Milk, Brand Owner: Steuben Foods Inc. Brand: ELMHURST Sub-Brand: FDC ID: 1719150 GTIN/UPC:018944000567
4) マカダミアミルク<砂糖不使用> キッコーマンソイフーズ株式会社

アーモンドミルクは低カロリーでも成分はどうか

上の表の数値を見ると、

牛乳>無調整豆乳>オーツミルク>マカダミアミルク>アーモンドミルク

の順にエネルギー量が大きいですが、商品によっても違いがあります。

また製造時に水をたくさん加えるとカロリーは下がり、加えないとカロリーは上がるので、カロリーの違いを議論することはあまり意味がありません。

アーモンドミルク、マカダミアミルクやオーツミルクは、牛乳や豆乳に比べて低カロリーでダイエットに最適、という記事をよく見かけますが、水で薄めれば、カロリーはいくらでも下げられます。

「カロリーが低い製品」=「体によい製品」というイメージがありますが、これは全くの誤解です。

ビールや発泡酒で、太らないようにするために、カロリーが低い商品や糖質オフの商品を選ぶいうのはアリかも知れませんが、カロリーが低いから牛乳の代わりにアーモンドミルクを飲むというのでは、意味がありません。

後で説明しますが、牛乳とアーモンドミルクは、含まれている成分が違います。

豆乳のたんぱく質は良質で栄養価が高い

たんぱく質を多く含むのは豆乳と牛乳です。アーモンドミルク、マカダミアミルクとオーツミルクにはこれらに比べて含まれるたんぱく質の量が少ないので、たんぱく質を積極的に摂りたい人には向いていません。

またたんぱく質の質にも大きな違いがあります。

たんぱく質はアミノ酸がつながってできています。アミノ酸の中には人間の体内で合成ができないため、食物として摂らなければならないものが9種類あり、これを「必須アミノ酸」といいます。

この必須アミノ酸がバランスよく含まれているたんぱく質ほど、良質なたんぱく質といえますが、これを評価する指標が「アミノ酸スコア」です。
4種類のミルクのアミノ酸スコアは、次の通りです。

  • 豆乳        100
  • アーモンドミルク  78
  • オーツミルク    100
  • 牛乳        100

アーモンドミルクに含まれるたんぱく質は、良質なたんぱく質とはいえません

牛乳以外でたんぱく質を摂るなら、豆乳が最もお勧めです。

脂質は必要な成分でオーツミルクには少ない

5種類のミルクに含まれる脂質の量を比較すると、

牛乳>マカダミアミルク>豆乳>アーモンドミルク>オーツミルク

の順になります。

牛乳には脂質が多く含まれていますが、だからといって体に悪いというわけではありません。脂質は人間が生きていくために必要な成分なので、むしろ積極的に摂るべきです。また過去には動物性の脂質が悪いという誤解が広がっていましたが、これは誤りであることがはっきりしています。

牛乳以外で脂質を摂りたい場合は、豆乳がお勧めです。なお、市販のアーモンドミルク、マカダミアミルクやオーツミルクの中には、脂質の量を水増しするために、植物油脂を加えている場合があります。

オーツミルクは炭水化物が多いので糖質も多い

炭水化物を最も多く含むのは、オーツミルクです。オーツミルクの原料は穀物で、製造過程ででんぷんを酵素で分解してグルコース変えているため、グルコースがたくさん含まれています。

グルコースは小腸で素早く吸収されてエネルギー源として使われるため、それ自体は悪いものではありませんが、ダイエットをしている人が最も注意しなければならない成分です。

オーツミルクには、豆乳の2倍以上の炭水化物が含まれていますが、なぜか「オーツミルクはダイエットの強い味方」と言っている人がいます。これに対し、アーモンドミルクには炭水化物がほとんど含まれていません。同じ第三のミルクでも、成分が全く異なるのです。

アーモンドミルクはカルシウムが多い

アーモンドミルクには牛乳を上回る量のカルシウムが含まれています。これはもともとアーモンドにカルシウムが豊富に含まれているためです。

ただ市販のアーモンドミルクには、カルシウムを添加したものもあります。これに対し、豆乳やオーツミルクにはカルシウムはほとんど含まれていません。

豆乳のメリットとデメリット

豆乳はたんぱく質、脂質をバランスよく含んでおり、牛乳に代わるたんぱく源として優れた飲み物です。

牛乳に含まれる乳糖は分解されにくく、特に大人になると、乳糖を分解する酵素であるラクターゼが減少するので、牛乳を飲んでお腹がゴロゴロすることがある人にも、うってつけの飲み物です。

しかし、豆乳には牛乳に含まれるカルシウムがそれほど多く含まれていません。豆乳の原料である大豆はカルシウムを多く含む食品なのですが、豆乳を作る過程でカルシウムの多くはおからとして除去されてしまっています。

牛乳の代わりに豆乳を飲む人は、ヨーグルト、チーズや他の大豆製品からカルシウムを意識的に摂るようにすればよいと思います。

アーモンドミルクの作り方

素焼きのアーモンドを1日から2日間水につけると、吸水して膨らみます。これをすりつぶすと、アーモンドに含まれるさまざまな成分が水に溶け出してきて、水が乳白色になります。これをろ過して液体部分だけを集めたのが、アーモンドミルクです。

ミキサーさえあれば、ご家庭で簡単に作ることができます。ネットでも紹介されていますので、興味のある方は試してみてください。

でも、ちょっと待ってください。こんな面倒なことしなくても、ローストしたアーモンドをそのまま食べたらよいと思いませんか。

アーモンドミルクを作るときには、食物繊維の部分はろ過で取り除かれますが、アーモンドをそのまま食べると、食物繊維も摂ることができます。

市販のアーモンドミルクは添加物が多い

市販のアーモンドミルクの原材料

国内で販売されているアーモンドミルクの原材料を調べてみました。(「/」以降は食品添加物)

グリコ アーモンド効果<砂糖不使用>

アーモンドペースト(国内製造)、食物繊維(イヌリン)、食塩、アーモンドオイル加工品
/pH調整剤、セルロース、クエン酸Ca、乳化剤、香料、増粘剤(キサンタンガム)、ビタミンE、(一部にアーモンドを含む)

マルサンアイ 毎日おいしいローストアーモンドミルク 砂糖不使用

アーモンドペースト(国内製造)、食物繊維(ポリデキストロース)、食塩、植物油脂
/乳化剤、香料、pH調整剤、安定剤(ジェラン)、ビタミンE

ポッカサッポロフード&ビバレッジ アーモンド・ブリーズ 砂糖不使用

アーモンドペースト(アメリカ製造)、デキストリン、植物油脂、食塩
/リン酸Ca、クエン酸K、乳化剤、安定剤(ジェラン)、セルロース、ビタミンE、(一部にアーモンドを含む)

これをみて気づいたことを挙げますと、

  • 食物繊維が添加されている。
  • 植物油脂が添加されている(グリコはアーモンドオイルだが、他社は何の油か不明)。
  • グリコとポッカサッポロはカルシウムを添加している。
  • ビタミンEを添加している。

順番に見ていきましょう。

アーモンド以外の食物繊維を加えている

アーモンドミルクの作り方のところで紹介したように、アーモンドミルクは製造工程で水に溶けない食物繊維を取り除きます。そのためアメリカ農務省のデータベースでは、アーモンドミルクに含まれる食物繊維は100mlあたり0.45g未満です。

ところが日本で市販されているアーモンドミルクには、アーモンドとは別の食物繊維が添加されています

グリコはタマネギなどに含まれる水溶性食物繊維である「イヌリン」、マルサンアイはグルコース、ソルビトール、クエン酸を混合し高温で重合させた「ポリデキストロース」、ポッカサッポロはトウモロコシでん粉に塩酸を添加して加熱し、さらに加水分解して作った「デキストリン」をそれぞれ加えています。

なぜこんな面倒くさいことをするのでしょうか。おそらく食物繊維が含まれている方が、消費者に受け入れられやすいからです。

さきほど紹介したアーモンドミルクの商品200ml中に含まれる食物繊維は次の通りです。

  • グリコ     食物繊維 3.0g
  • マルサンアイ  食物繊維の表示なし(表示は義務ではない)
  • ポッカサッポロ 食物繊維 0.6g

何度もいいますが、アーモンドをそのまま食べれば、食物繊維も一緒に摂れます。アーモンドミルク200ml作るために、乾燥アーモンドを50g使っていたとすると、この中には、

  • 水溶性食物繊維     0.4g
  • 不溶性食物繊維     4.7g
  • 食物繊維(計)     5.1g

の食物繊維が含まれています。

アーモンドをそのまま食べれば、化学工場で作られた人工的な食物繊維を摂らなくて済むのです。

アーモンド以外の植物油脂と乳化剤を加えている

アーモンドミルクには、植物油脂が添加されています

グリコの製品はアーモンドオイル加工品なので、アーモンドから摂った油のようですが、マルサンアイとポッカサッポロは、アーモンド以外の植物油脂と思われます。

どのような目的で植物油脂を加えているのかわかりませんが、植物油脂を加えたために、均一に混ざるようにするために、食品添加物の乳化剤まで使うことになったのではないかと推測されます。

カルシウムを添加しているものもある

もともとアーモンドにはカルシウムが豊富に含まれているので、アーモンドミルクにも牛乳を上回るカルシウムが含まれています。

ところがグリコとポッカサッポロはさらにカルシウムを添加しています。それぞれアーモンドミルクの商品200ml中に含まれるカルシウム量は次の通りです。

  • グリコ       カルシウム 60mg
  • マルサンアイ    カルシウム量の表示なし(表示は義務ではない)
  • ポッカサッポロ   カルシウム 236mg

ポッカサッポロの製品は、「1食分のカルシウムが摂れる」ことをパッケージに表示しています。ちなみに厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、カルシウムの食事からの摂取基準推奨量は、

  • 15~74歳の女性:650mg/日
  • 15~29歳の男性:800mg/日
  • 30~74歳の男性:750mg/日

なので、ポッカサッポロのアーモンドミルクで、推奨量の1/3のカルシウムが摂れるようです。カルシウムを摂取するためのサプリと割り切れば、アーモンドミルクの摂取はアリかもしれません。

ちなみに乾燥アーモンド50g中には、125mgのカルシウムが含まれています。

ビタミンEを添加している

アーモンドはビタミンEを多く含むことで知られています。日本食品標準成分表によると、乾燥アーモンド50gにはビタミンEが15.6mg含まれます。

しかしビタミンEは脂溶性なので、アーモンドの成分を水で抽出したアーモンドミルクには、もともとアーモンドに含まれていたビタミンEがすべて含まれているわけではありません

そのためかどうかわかりませんが、国内で市販されているアーモンドミルクには、ビタミンEが添加されています。各社のアーモンドミルクの商品200ml中に含まれるビタミンEの量は、

  • グリコ     ビタミンE 10.0mg
  • マルサンアイ  ビタミンE 13.0mg
  • ポッカサッポロ ビタミンE 9.0mg

です。

市販のアーモンドミルクのメリットとデメリット

アーモンドミルクを飲むメリットは少ない

アーモンドミルクを、カルシウムビタミンEと摂るためのサプリメントとして考えるなら、摂取するメリットはあるかもしれません。

ただカルシウムとビタミンEを効率よく摂取する方法は他にもあるので、この目的のためにアーモンドミルクの飲用をおすすめはしません。

なおこのサイトで紹介したマルサンアイのアーモンドミルクは、カルシウム量の表示がありませんので、カルシウムを摂る目的で飲むのには適していません。

これ以外に、アーモンドミルクを摂取するメリットはありません。

添加物が体に悪くおすすめではない

メーカーさんには申し訳ないですが、市販のアーモンドミルクを摂ることによるデメリットはたくさんあります。

  • 食塩、植物油脂、食品添加物など、摂りたくないものまで摂ることになる。
  • 購入するための費用がかかる(200mlで115円くらい)。
  • リサイクルできないゴミが出る。

この中で1番目に挙げた内容について、説明しましょう。

アーモンドミルクを飲もうという方は、少なくとも健康によいと思って飲まれるのではないでしょうか。にもかかわらず、体に入れたくないものまで摂ることになってしまうのです。

主なものをあげますと、

  • 食塩 … 日本人は食塩は摂り過ぎている傾向がある
  • 植物油脂 … 健康目的で飲む飲料に不適切な成分
  • 化学合成されたと思われる食物繊維
  • 乳化剤、香料、pH調整剤、安定剤、増粘剤といった食品添加物

などです。食物繊維については摂るメリットがゼロとは言い切れませんが、わたしはいくら安くても、隣国で化学合成された食物繊維を摂ろうとは思えません(食品添加物の多くは日本の西側にある国からの輸入品です)。

アーモンドをそのまま食べればよい

アーモンドはカルシウム、ビタミンE、食物繊維を多く含んでいるので、これをそのまま食べればよいでしょう。

アーモンドミルク200mlに相当するのはだいたい5粒程度(50~60g)で、アーモンドの素焼きの価格にすれば75~100円と、アーモンドミルクとほとんど同じです。

アーモンドはおいしいので、ついつい食べ過ぎるかもしれませんが、カロリーが高いので、1日25粒を限度に食べてください。またアーモンドが原因の食物アレルギーが増えているので、毎日食べ続けることのないようにしてください。特に花粉症の人は要注意です。

オーツミルクの作り方

オーツ麦(えんばく)という穀物を皮ごとローラーでつぶしたものを「オートミール」と呼びます。

欧米ではオートミールに水や牛乳を加えて煮てお粥状にしたものを、よく食べます。オーツミルクは、オートミールに水を加えて煮て作ったお粥をすりつぶし、アミラーゼという酵素を加えてでんぷんを分解したのち、固形分を取り除き、最後に90℃で加熱するることで酵素を失活させ、完成させます。

すこし甘い味がしますが、これはでんぷんがアミラーゼで分解されてグルコースができるためです。

簡単にいうと、お粥を裏ごししたものです。これなら、米でも作れるんじゃないかって思いますよね。その通りで、欧米にはお米のお粥を裏ごしして作った「ライスミルク」もあります。

市販のオーツミルクは添加物が使われている

国内で市販されているオーツミルクは、次の3社の製品が多いようです。

alproはベルギーの会社で、穀物やナッツを原料とした加工食品や飲料を製造しています。欧米ではオーツミルクは食品スーパーでふつうに販売されていますが、2020年から日本で販売を開始しました。マルサンアイとコカ・コーラは、オーツミルクが話題になったことで、2021年に相次いでこの市場に参入しました。

市販のオーツミルクの原材料

上記の3社が販売しているオーツミルクの中で、代表的な商品の原材料を紹介します。(「/」以降は食品添加物)

alpro オーツミルク 砂糖不使用

オーツ麦 (えん麦)、食物繊維、ひまわり油、食塩
/炭酸カルシウム、増粘剤(ジェランガム)、ビタミンB2、ビタミンD2、ビタミンB12

マルサンアイ オーツミルク

オーツ麦糖化液(国内製造)、オーツ麦粉、食塩
/安定剤(増粘多糖類)、pH調整剤、香料

コカ・コーラ GO:GOOD おいしいオーツ麦ミルク なめらかプレーン

オーツ麦濃縮液(国内製造)、オーツエキスパウダー、ひまわり油、食物繊維(イヌリン)、食塩
/乳化剤、リン酸塩(K、Ca)、安定剤(ジェランガム)

メーカーによって原材料は異なりますが、いくつか気になる点を挙げます。

  • 食物繊維、オーツ麦粉が添加されている。
  • 食塩が添加されている。
  • 増粘剤、安定剤が使われている。

順番に見ていきましょう。

 食物繊維を加えている

alproとコカ・コーラの製品は、食物繊維が添加されています

コカ・コーラの製品はタマネギなどに含まれる水溶性食物繊維であるイヌリンが使われていますが、alproは食物繊維と書いてあるだけで、何が入っているのかわかりません。マルサンアイは食物繊維は添加していませんが、オーツ麦粉を入っているようです。

上で紹介した商品100mlに含まれる食物繊維の量は次の通りです。

  • alpro      1.2g
  • マルサンアイ  表示なし(表示は任意)
  • コカ・コーラ  1.8g

欧米でオートミールが食べられているのは、簡単に調理できるということもありますが、オートミールが全粒粉で種皮の部分に含まれる食物繊維やミネラルも一緒に摂れるということも理由の一つです。

オートミルクに加工すると、食物繊維のうち水に溶けない不溶性食物繊維は取り除かれてしまうので、食物繊維やオーツ麦の粉を加えているものと思われます。

いったん取り除いたものをまた加えるのなら、オートミールをそのまま食べたらよいと考えます。

食塩、ひまわり油が添加されている

3つの商品いずれも、食塩が添加されています。味をおいしくするためと思われますが、牛乳にも無調整豆乳にも食塩は添加されません。

またalproとコカ・コーラの製品には、ひまわり油が添加されています

不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富に含まれるひまわり油そのものは、別に悪いものではないのですが、なぜミルクに植物油脂を添加する必要があるのでしょうか。

食品添加物が使われている

3社共通で使われているのが、増粘安定剤です。

これはオーツミルクの成分が均一に分散し、沈澱することを防ぐために添加されていると思われます。このほか、商品によってさまざまな食品添加物が使われています。

市販のオーツミルクのメリットとデメリット

オーツミルクを飲むメリットは特にない

オーツミルクを飲むメリットは特別ありません。各社のオーツミルクの栄養成分をもう一度確認してみましょう。数値は100mlあたりです。

alpro マルサンアイ コカ・コーラ
エネルギー(kcal) 40 30 50
たんぱく質(g) 0.2 1.5 0.8
脂質(g) 1.5 0.2 2.3
炭水化物(g) 6.8 5.7 7.5
食塩相当量(g) 0.09 0.15 0.1

たんぱく質と脂質は他のミルク飲料と比べて少なく、炭水化物は多いです。

また、オーツミルクにだけ含まれている栄養成分があるわけではありません。理由は簡単で、原料が穀物だからです。

欧米にはベジタリアンの人が一定数います。またオートミールを日常的に食べている彼らにとっては、オーツミルクはなじみのある味なのかもしれません。そのため、欧米では商品として定着しているのだと思われます。

Alproの製品はビタミンが添加されていますが、もしビタミンを摂ることが目的なら、サプリメントや医薬品から摂る方が、はるかに効率的です。

糖質と食塩を摂ることになりおすすめできない

オーツミルクを飲むことによるデメリットはたくさんあります。

まず多くの人が積極的には摂りたくないと思っている、炭水化物、食塩、植物油脂、食品添加物を摂ることになります。またアーモンドミルクと同様、購入するためのコストもかかりますし、ごみも発生します。

オートミールだからといって選ぶメリットがない

オーツミルクを飲むメリットがないから、オートミールを食べた場合はどうでしょうか。残念ながら、オートミールを食べるメリットもありません

オートミールには、オーツミルクを作る際に取り除かれた食物繊維が含まれます。ですから、オーツミルクを飲むよりオートミールを食べるほうがまだマシですが、海外から輸入された値段の高い穀物を食べる理由も見当たりません。

お米のごはんや、玄米や大麦を混ぜたご飯を食べたほうが、栄養的にも優れていて、かつ安上がりです。

牛乳の代用など、あなたにあった飲料はこれ

豆乳、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクについて解説をしてきましたが、結局、どれを飲めばよいのか、整理しておきましょう。

牛乳でお腹が緩くならない人

たんぱく質とカルシウムが多く含まれる牛乳がお勧めです。

カロリーが高いとか、コレステロールが多いとか、他の飲料をすすめる人はいろいろな批判をしていますが、牛乳を1日200ml飲んだところで、大した量にはなりません。牛乳を飲んでもお腹に影響がない人には、牛乳がお勧めです。

牛乳でお腹が緩くなる人、乳アレルギーがある人

良質なたんぱく質を豊富に含む豆乳(無調整豆乳)がお勧めです。ただ豆乳に含まれるカルシウムの量は牛乳より少ないので、、ヨーグルト、チーズや大豆製品からカルシウムを意識的に摂るようにしてください。

ビタミンEと食物繊維を摂りたい人

アーモンドミルクを飲むのではなく、アーモンドを食べてください。

できれば無塩のものがよいと思います。1日5粒くらいが適当かと思います。アーモンドはカロリーが高いので、1日25粒までにしましょう。また花粉症やアレルギー性疾患のある人は、続けて食べ続けないように注意したほうがよいと思います。

動物性食品を摂らない人

豆乳(無調整豆乳)を飲んでください。アーモンドの成分を摂りたいときは、アーモンドミルクではなく、アーモンドそのものを食べてください。オーツミルクやオートミールは、摂るメリットがありません。

カロリーをできるだけ摂りたくない人

お茶を飲んでください。牛乳、豆乳、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクの中でいちばん低カロリーだからという理由で添加物の入ったアーモンドミルクを飲むという選択は間違っています。

まとめ

  1. 豆乳は大豆から、アーモンドミルクはアーモンドから、マカダミアミルクはマカダミアナッツから、オーツミルクはオーツ麦という穀物から、たんぱく質や脂質、糖質といった成分を抽出した液体で、「植物性ミルク」と呼ばれるものです。豆乳は「第二のミルク」、アーモンドミルク、マカダミアミルク、オーツミルクは「第三のミルク」とも呼ばれています。
  2. カロリー(エネルギー)を比較すると、牛乳>無調整豆乳>オーツミルク>マカダミアミルク>アーモンドミルクの順になりますが、カロリーの違いを議論するのは無意味。また「カロリーが低い製品」が「体によい製品」というのは全くの誤解。
  3. 豆乳は良質なたんぱく質と脂質も多く含まれる。一方で、カルシウムがあまり含まれていない。
  4. 市販のアーモンドミルクは合成品で、食物繊維、植物油脂、カルシウム、ビタミンEが添加されていることが多い。アーモンドミルクを、カルシウムビタミンEと摂るためのサプリメントとして考えるなら、摂取するメリットはあるかもしれないが、食塩、植物油脂、食品添加物など、摂りたくないものまで摂ることになる。
  5. オーツミルクには炭水化物が多く含まれる一方で、特に見るべき栄養成分は含まれない。オーツミルクは摂取するメリットはない。