お酢にはたくさんの種類がありますが、食酢は品質表示基準で原料と製造方法が細かく決められています。
食酢には醸造酢と合成酢があり、醸造酢はさらに穀物酢と果実酢に分かれます。
米酢、米黒酢、大麦黒酢は穀物酢の、リンゴ酢とバルサミコ酢は果実酒の仲間です。黒酢は玄米や玄麦から、赤酢は酒かすから作られ、アミノ酸やミネラルを多く含むため、色が付いています。
お酢の種類と違い
食用のお酢にはいろいろな種類のものがありますが、名前だけでは、その違いがよくわかりません。
お酢は食酢、加工酢、もろみ酢に分けられます。
そして食酢の分類と定義は、農林水産省が決めた「食酢品質表示基準」で細かく決められています。まずは食酢の分類から見ていきましょう。
食酢は醸造酢と合成酢に分けられます。
醸造酢は酢酸発酵だけで作られたお酢で、合成酢は化学合成された氷酢酸や酢酸を水で薄めて、砂糖、食塩、酸味料などを加えたものです。
醸造酢と合成酢を混ぜたものは合成酢に分類されるので、化学合成された氷酢酸、酢酸が入っているのが合成酢、入っていないのが醸造酢ともいえます。合成酢は沖縄県を除き、一般向けにはほとんど流通していません。
醸造酢は、さらに穀物酢と果実酢に分かれます。
穀物酢は、
と決められています。穀物酢の中には、スーパーの店頭でよく見かける「米酢」や「米黒酢」、「大麦黒酢」も含まれます。
一方果実酢は、
です。果実酢には、りんご酢(アップルビネガー)、ぶどう酢(バルサミコ酢など)があります。
食酢以外のお酢として、「加工酢」と「もろみ酢」があります。
加工酢は「調味酢」、「合わせ酢」ともいわれるもので、食酢にしょうゆ、砂糖、香辛料などを加えて味を調製したものです。すし酢、三杯酢、たで酢などが含まれます。もろみ酢はタイ米から作られる焼酎の一種である泡盛の製造過程で出る「もろみ粕」を発酵させたもので、主成分は酢酸ではなくクエン酸です。
穀物酢、果実酢の原料
穀物酢と果実酢は、醸造酢に含まれます。違いは原料とその使用量です。
まず醸造酢の原料として使われるのは、
- 穀類
- 果実
- 野菜
- その他の農産物(さとうきび等)
- はちみつ
- アルコール
です。
そして穀物酢の原料は、
- 米、小麦、大麦、酒かす、コーン等の穀類を1種または2種以上使用し、その使用総量が醸造酢1Lにつき40g以上であること。
- 果実、アルコールは使用してもしなくてもよい。
- 野菜、その他の農産物(さとうきび等)、はちみつは使用してはいけない。
と決められています。酒かすはもともとお米なので穀類に入っているようです。酒かすから作られたお酢は赤酢という名前で区別されていますので、のちほど紹介します。またアルコールは発酵原料なり、実際に使われていることが多いようです。
一方、果実酢の原料は、
- 果実(搾汁)を1種または2種以上使用し、その使用総量が醸造酢1Lにつき300g以上のもの。
- 穀類、アルコールは使用してもしなくてもよい。
- 野菜、その他の農産物(さとうきび等)、はちみつは使用してしはいけない。
と決められています。
整理すると、次のようになります。なお◎は必ず入っている必要がある原料、○は入っていてもいなくてもよい原料、×は入っていてはいけない原料です。
醸造酢 | 穀物酢 | 果実酢 | |
---|---|---|---|
穀類(米、小麦、大麦、酒かす、コーン等) | ○ | ◎ | ○ |
果実(搾汁) | ○ | ○ | ◎ |
アルコール | ○ | ○ | ○ |
野菜、さとうきび、はちみつ | ○ | × | × |
穀物酢と米酢、純米酢の違い
米酢は穀物酢の一つです。
穀物酢と米酢の違いは、お米の使用量で、お米以外の原料が使われていても、米が醸造酢1Lにつき40g以上使われておれば、米酢と表示できます。
米とアルコールを原料とする米酢がほとんどのようです。原料米は国産米(ジャポニカ種)に限らず、輸入米(インディカ種)も使用されています。国産米と輸入米では価格差が10倍あるので、国産米使用と書いていない限り、輸入米が使われていると考えたほうがよいでしょう。
このほか純米酢(じゅんこめず)という名前の商品もあります。これはメーカーが付けている名前で、特に決まりはありませんが、お米だけを原料にしたものが多いようです。
穀物酢、米酢の酸度は4.2~4.4度です。酸度とは、お酢に含まれる酸を酢酸で換算したもので、酸度が4.2度というのは、酢酸が4.2%(お酢100mlに酢酸が4.2g)含まれることになります。
穀物酢 | 米酢 | |
---|---|---|
米 | ○1) | ◎2) |
穀類(小麦、大麦、酒かす、コーン等) | ○1) | ○ |
果実(搾汁) | ○ | ○ |
アルコール | ○ | ○ |
野菜、さとうきび、はちみつ | × | × |
1) 米、小麦、大麦、酒かす、コーン等のうち1種類または2種類以上が、醸造酢1Lにつきあわせて40g以上使われていること。
2)米が醸造酢1Lにつき40g以上使われていること。
黒酢はなぜ黒い?健康によい効果とは
黒酢も穀物酢の一つですが、褐色から黒褐色で、ふつうのお酢と明らかに違います。
黒酢の原料は玄米または玄麦(大麦)です。ふつうの穀物酢は精米されたお米、製粉された小麦などを原料にするため、穀物のでんぷん以外の成分があまり含まれていません。
これに対して黒酢は、種皮や胚乳を含めた穀物全部が原料です。
種皮や胚乳にはたんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンが多く含まれているため、黒酢には独特な色と香りがあります。またふつうの醸造酢の発酵期間が3か月程度てあるのに対し、黒酢は1年から2年かけて発酵させ、さらに熟成させます。たんぱく質や脂質を分解するためには、時間がかかるからです。
そのため黒酢にはたんぱく質が分解されてできたアミノ酸が多く含まれるのも特徴です。黒酢に含まれる栄養成分の量は、製品によって大きく異なります。
整理すると、次のようになります。
黒酢以外の穀物酢(ふつうのお酢) | 黒酢 | |
---|---|---|
色 | 薄黄色 | 琥珀色~褐色 |
原料 | 精米されたお米、製粉された小麦など (でんぷんが主成分) |
玄米、玄麦(大麦) (でんぷん以外に、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンを含む) |
発酵期間 | 3か月程度 | 1~2年 |
成分 | 酢酸 | 酢酸以外に、たんぱく質が分解されてできたアミノ酸や、もともと原料に含まれていたミネラル、ビタミンを多く含む |
価格 | 安い | 高い |
国内で生産される黒酢には、米黒酢と大麦黒酢の2種類があります。農林水産省が決めた「食酢品質表示基準」に黒酢と表示するための要件が決められています。
それによると、米黒酢は、
また大麦黒酢は、
となっています。整理すると次のようになります。
米黒酢 | 大麦黒酢 | |
---|---|---|
玄米 | ◎ 1) | × |
大麦 | ○ | ◎ 1) |
小麦 | ○ | × |
精米した米、酒かす、コーン、果実(搾汁)、アルコール | × | × |
1)醸造酢1Lにつき180g以上使われていること。
合成酢と醸造酢の違い
合成酢は化学合成された氷酢酸や酢酸を水で薄めて、砂糖、食塩、酸味料などを加えたものです。これに対して醸造酢は微生物による酢酸発酵だけで作られたお酢です。醸造酢に合成酒を混ぜたものは、合成酢に分類されます。
合成酢はほとんど見かけませんが、沖縄県ではふつうに売られており、飲食店のテーブルでもよく置いてあります。鹿児島県の株式会社マグマが製造する「まるこめ酢」で、酸度は12.25度とふつうの穀物酢の3倍です。一般的には薄めて使います。
沖縄では刺身を食べるときに酢としょうゆで食べるのが、一般的だそうで、そのほかさまざまな料理に酸度の高い合成酢の需要があるようです。
穀物酢は小麦アレルギーでも大丈夫?
さきほど穀物酢の定義を説明しましたが、穀物酢にはグルテンを含む小麦、大麦が原材料として使われているものがあります。
では米酢、米黒酢はどうでしょうか。
詳しい説明は省きますが、米酢、米黒酢とも、小麦、大麦を原材料として使用することができます。このほか大麦黒酢というのもあり、これは原料として大麦のみを使用したものです。
果実酢も含め、醸造酢の小麦、大麦の使用の可否を表にすると、次のようになります。
小麦 | 大麦 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
穀物酢 | 使用可 | 使用可 | 米、小麦、大麦、酒かす、コーンなどが原料 | |
米酢 | 使用可 | 使用可 | 米の使用量が穀物酢1Lにつき40g以上あれば、上記の原料を使用してもよい | |
米黒酢 | 使用可 | 使用可 | 玄米は必ず使用、小麦、大麦も使用可 | |
大麦黒酢 | 使用不可 | 使用 | 原料は大麦のみ | |
果実酢 | 使用不可 | 使用不可 | 果実を1種または2種以上使用 | |
りんご酢 | 使用不可 | 使用不可 | りんごの搾汁が果実酢1Lにつき300g以上 | |
ぶどう酢 | 使用不可 | 使用不可 | ぶどうの搾汁が果実酢1Lにつき300g以上 |
以上のことから、グルテンが含まれている可能性があるお酢は、穀物酢、米酢、米黒酢、大麦黒酢の4つであることがわかりました。
米酢はお米だけが原料だと思っていたら、それ以外の原材料が使われていることがあるようです。
お酢に含まれるグルテンはどれくらい
穀物酢には小麦、大麦を原材料として使ったものがありますが、どれくらいのグルテンが含まれているのでしょうか。
あくまでも仮定の話ですが、小麦40gを原料に1Lの穀物酢を作るとします。小麦40gにはグルテンが3g含まれますので、仕込み段階でのグルテン濃度は3,000ppmとなります。
穀物酢は穀物に含まれるでんぷんや糖類を、酢酸菌が酢酸に変えることで作られます。このとき原料に含まれるたんぱく質も分解されて、うまみ成分であるアミノ酸に変わります。
そのため、穀物酢にはたんぱく質であるグルテンは分解されて、残っていないと思われます。
穀物酢に含まれるグルテン濃度を測定したデータは見当たりませんでしたが、厚生労働省の研究班が作成した「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017」には、
小麦アレルギーで小麦が含まれる食品を完全除去しなければならない場合でも、醤油と穀物酢は基本的に除去する必要はない
と記載されています。
小麦アレルギーは小麦に含まれるたんぱく質がアレルゲンとなって、即時型アレルギー反応を起こす病気です。穀物酢の原料として小麦が使われていたとしても、小麦に含まれるたんぱく質は分解されて、出来上がった穀物酢の中には残っていないということです。
なお、グルテンフリーと表示するためには、
「食品中のグルテン濃度を測定し20ppm以下であること。」
または
「原料にグルテンを含む穀物を使用していないこと。」
のいずれかを満たす必要があります。
したがって、小麦や大麦を原料として使った穀物酢の場合、グルテン濃度を分析して20ppm以下であることを示さない限り、グルテンフリーと表示できません。
ただ何度も繰り返しているように、小麦や大麦を原料として使っていても、グルテンは分解されて残っていないので、実質グルテンフリーと考えてよいでしょう。
加工酢(調味酢)とは
加工酢は食酢にしょうゆ、砂糖、香辛料などを加えて味を調製したもので、調味酢、合わせ酢ともいわれます。どのようなものか、見ていきましょう。
すし酢
炊いたご飯にそのままかけて混ぜるだけですし飯ができる加工酢です。すし酢はお酢に砂糖と塩を混ぜて作りますが、その比率は地方や好みによって異なるようです。一般的には、
米酢 : 砂糖 : 塩 = 4 : 2 : 1
という比率がよく使われるようです。
市販のすし酢は、お酢に砂糖や甘味料、塩、調味料を混ぜて作られています。いくつかの製品の原材料表示を紹介します。
- 製品A:米酢、果糖ぶどう糖液糖、食塩、砂糖/調味料(アミノ酸等)
- 製品B:糖類(砂糖、果糖ぶどう糖液糖)、米酢、食塩、昆布だし、かつおだし
- 製品C:醸造酢(国内製造)、砂糖、食塩/調味料(アミノ酸等)
三杯酢
酢、醤油、砂糖(またはみりん)を1:1:1 の割合で合わせた調味料で、酢の物、焼き魚、冷や奴などに使われます。これをあらかじめ調合したものが売られています。ただメーカーによって原材料と配合比が全く異なるようです。いくつかの製品の原材料表示を紹介します。
- 製品D:米酢(米(国産))、かつお昆布だし、砂糖、しょうゆ(大豆(遺伝子組替えでない)・小麦を含む)、食塩、米発酵調味料、本みりん
- 製品E:ぶどう糖果糖液糖、醸造酢、しょうゆ(本醸造)、食塩、米黒酢、かつおエキス、かつおぶし、こんぶエキス、宗田かつおぶし、酵母エキス、いわしぶし、こんぶ、アルコール、(原材料の一部に小麦、大豆を含む)
- 製品F:砂糖(国内製造)、米酢、しょうゆ(小麦・大豆を含む)、食塩、本みりん、昆布だし、かつおだし
たで酢(蓼酢)
タデという植物の葉をすりつぶし、酢でのばしたもので、緑色をしています。アユの塩焼きを食べるときに使います。製品の原材料表示の例は次のとおりです。
- 製品G:醸造酢、たで、砂糖、香辛料、食塩/増粘剤(キサンタンガム)、酸味料、着色料(黄4・青1)
- 製品H:醸造酢、たで、発酵調味料、ブドウ糖、食塩/酸味料、調味料(アミノ酸)、増粘剤(キサンタン)、香料、着色料(野菜色素・黄4・青1)
お寿司の赤酢と琉球のもろみ酢
赤酢は粕酢(かすす)とも呼ばれる、日本酒の酒かすが原料のお酢です。
もともとお寿司はごはんを魚、塩と一緒に漬けこんで、時間をかけて乳酸発酵させた「なれずし」が主流でしたが、江戸時代に酒かすから酢を作る技術が発達したことで、炊いたごはんにお酢を混ぜて酢飯を作り、押しすし、握りすしが作られるようになりました。
酒かすを長期間熟成させると、酒かすに含まれる成分が糖分とアミノ酸に分解し、白い酒かすが茶褐色に変化します。これを酢酸発酵させたのが、赤褐色の赤酢です。赤酢は醸造酢のひとつですが、ふつうのお酢に比べて製造に時間かがるため、高級品です。また酢酸以外にさまざまな旨み成分が含まれています。
一方もろみ酢は、タイ米から作られる焼酎の一種である泡盛の製造過程で出る「もろみ粕」を発酵させたものです。
泡盛は、タイ米に黒麹菌と酵母と水を加えてアルコール発酵させたものを蒸留することで、アルコールを回収します。蒸留し終わった液体(もろみ粕)をそのまま置いておくと発酵が進み、クエン酸ができます。これを搾ってろ過したものが、もろみ酢になります。
もろみ酢の主成分は酢酸ではなくクエン酸なので、食酢には含まれまれず、清涼飲料水などの扱いです。
食酢のような品質表示基準はありませんが、琉球もろみ酢事業協同組合が、単式蒸留した泡盛のもろみ粕から作られたもろみ酢を、「琉球もろみ酢」「沖縄もろみ酢」と定め、またもろみ酢原液が75%以上含まれる製品に対して、公正取引マークを付けています。
なお米焼酎や麦焼酎のもろみ粕からも、同じようにもろみ酢を作ることができるようです。
バルサミコ酢は値段が高い?
バルサミコブドウの濃縮果汁を原料とし、長期間、樽で熟成したものがバルサミコ酢で、イタリアの特産品です。
色はこげ茶色で、独特の香りと甘みがあり、イタリア料理によく使われます。伝統的なバルサミコ酢は、原料のブドウの種類や熟成期間(12年以上)など、細かい製法が法律で定められており、高級レストランで使われます。
一般的に流通しているバルサミコ酢は、熟成期間の短いブドウ酢に、着色料、香料などを添加していて作られています。
お酢の成分とさまざまな効果
食酢の主成分は酢酸ですが、クエン酸などの有機酸、アミノ酸を含んでいるものもあります。特に着色している赤酢や黒酢には、アミノ酸、ミネラル、ビタミンを多く含むことから、健康ブームの高まりとともに、注目されています。
お酢にはからだに有益な効果や、調理するうえで便利な効果がいろいろあります。
疲労回復効果
お酢にはエネルギー源となる有機酸が多く含まれていることから、運動などで疲れたときに糖分と一緒にお酢を摂ることで、疲労回復に効果的です。またクエン酸は、体内のクエン酸回路を活性化することで、疲労で蓄積した乳酸を分解します。乳酸が蓄積すると、肩こりや筋肉疲労の原因となります。
食欲増進効果
お酢の酸味が味覚や嗅覚を刺激して、唾液や消化液の分泌を高めることで、食べたいという気持ちを後押しします。
減塩効果
塩分を引き立たせて味にコクを出すので、料理に使う食塩の量を減らすことができます。
カルシウムの吸収を助ける効果
酢酸にはカルシウムを吸収されやすくする効果があります。
防腐効果
酢酸は細菌の増殖を防ぎ、料理や食品の保存性を高めることができます。
肉や小骨を柔らかくする効果
お酢にはたんぱく質を柔らかくする効果があるので、肉料理にお酢を使うと、お酢の働きで肉が柔らかくなります。またお酢を加えることで料理が酸性になり、お肉がもともと持っているたんぱく質分解酵素が活性化してお肉の筋繊維を分解するため、お酢を加えて煮ることで、お肉を柔らかくすることができます。
さらに小骨をやわらかくする働きもあるので、魚の煮つけなどにお酢を使うと、骨まで柔らかくなります。
たんぱく質を固める効果
お酢にはたんぱく質を固める作用があり、魚の煮つけを作るときに少量を加えると、魚の表面のたんぱく質を固め煮くずれしにくくなります。
食品の色を鮮やかにする効果
ミョウガやニンジンなど、お酢の成分が色素に働きかけることによって、素材の色を鮮やかにします。ごぼうやれんこんは、消化酵素の働きを抑え褐変を防ぐために、切った後は酢水にさらしておくと白く仕上がります。
いやな匂いやアクをとる効果
香りのクセが強い食材を使った料理を作る場合、お酢がその匂いを包み込んでまろやかにします。また魚の切り身を2~3倍に薄めたお酢にくぐらせて、キッチンペーパーで水気を取ることで、魚の臭みを取ることができます。
さらにごぼうやれんこんなどのアクの強い野菜は、酢水にさらしたり、茹でるときにお酢を加えると、アクが抜けます。
まとめ
- お酢にはたくさんの種類があり、その中で食酢は品質表示基準で原料と製造方法が細かく決められています。食酢には醸造酢と合成酢があり、醸造酢はさらに穀物酢と果実酢に分かれます。米酢、米黒酢、大麦黒酢は穀物酢の、リンゴ酢とバルサミコ酢は果実酒の仲間です。
- 穀物酢に分類される黒酢は、玄米または玄麦が原料で、ふつうのお酢より長い時間発酵・熟成することで作られます。原料にたんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンを多く含むため、出来上がった黒酢にはアミノ酸やミネラルが豊富です。
- 赤酢は熟成した酒かすから、もろみ酢は泡盛を蒸留した残りかすであるもろみ粕から作られるお酢です。赤酢は穀物酢に分類されますが、もろみ酢は主成分が酢酸ではなくクエン酸であるため、食酢にはたくまれません。
- お酢には、からだに有益な効果や、調理するうえで便利な効果がいろいろあることがわかっています。